部品が余っても付け忘れか分からない|組付け忘れを数で防ぐ前提

組立のあとに余った2個の部品が、もともと多く入っていた場合と付け忘れた場合の2通りに読めることを示す図

組立が終わったら、ネジが2本余っていた。付け忘れなのか、もともと多く入っていたのか、分からない。

余りで付け忘れを見つける方法は、払い出した数が正確なときだけ効きます。

この記事の要点
  • 「余ったら付け忘れ」と言えるのは、払い出した数が分かっているときだけです
  • 袋の表示と中身の数が違うと、余りの原因を追えなくなります
  • 払い出す数を揃える方法は、手・重さ・落として数える・画像の4つです

結論:「余ったら付け忘れ」は、払い出した数が分かっているときだけ言える

POINT

部品が余ったときに付け忘れと判断できるのは、払い出した数が分かっている場合だけです。必要な数ちょうどを払い出していれば、余りがそのまま付け忘れの合図になります。

1台分の部品をトレーに用意し、作業のあとに余りを確かめる。組付け忘れを防ぐ方法として、広く紹介されているやり方です。トレーに部品が残っていれば、付け忘れに気づけます。

この方法には前提があります。トレーに入れた数が、正しいことです。

数が最初からずれていると、余りは2通りに読めてしまいます。もともと多かったのか、付け忘れたのか。どちらなのかは、余った部品を見ても分かりません(図1)。

組立のあとに余った2個の部品が、もともと多く入っていた場合と付け忘れた場合の2通りに読めることを示す図
図1 余りの2通りの読み方(当社作成の模式図)

払い出す数がずれる場面

POINT

払い出す数は、数えずに工程へ出したときにずれます。

  • 袋や箱の表示を、そのまま数として使っている:小さい部品では、表示より多めに入って納入されることがあります。表示の数で払い出すと、実際の数は分かりません。
  • 袋のまま、または「だいたい」で出している:足りなくなるよりはと、多めに出すやり方です。余りが出るのが普通になり、余りを見ても何も言えなくなります。

多めに入っていること自体は、足りないよりは良いことです。困るのは、数が分からなくなることです。

数がずれたままだと起きること

POINT

余りの原因を追えないと、製品を1台ずつ確かめ直すことになりがちです。

  • 余りが出たとき:付け忘れかどうかを、部品の数からは判断できません。出来上がった製品を、全数確かめることになりがちです。
  • 付け忘れが見つかったとき:組み上がった製品を分解して、やり直すこともあります。工程が進んでいるほど、戻る手間は大きくなります。
  • 部品が足りなくなったとき:もともと少なかったのか、どこかに落としたのかが分かりません。

数が分かっていれば、余りが出たその場で、その1台に絞って確かめられます。

払い出す数を揃える方法:手・重さ・落として数える・画像

POINT

払い出す数を揃える方法は4つあり、部品と数によって向き不向きがあります。

  • 手で数える:道具が要らず、すぐ始められます。数が多い部品や小さい部品では、時間がかかり、数え直しが起きることもあります。
  • 重さで数える(計数はかり):載せるだけで数えられ、手早い方法です。1個が軽い部品や、重さがそろっていない部品では、数がずれることがあります。
  • 落として数える(計数機):流れていく部品を1個ずつ数えます。決めた数ごとの小分けや袋詰めに向きます。卓上に置ける機種もあります。
  • 広げて画像で数える:トレーに広げた部品を上から撮り、1個ずつ数えます。1個の重さに左右されない代わりに、広げる手間がかかります。

方式ごとの費用の目安

導入にかかる費用は、方式によって大きく違います。各社が公開している価格をもとにした目安です。

  • 手で数える:道具代はかかりません。
  • 重さで数える(計数はかり):国内メーカーの業務用で3万円台からあります。精度や秤量の高い機種は10万〜40万円台です。
  • 落として数える(計数機):公開価格はほとんどなく、見積になります。メーカーが示す価格帯は、手で投入する簡易型で10〜50万円、卓上型で100〜500万円、フィーダー付きの据置型で500万円以上です。
  • 広げて画像で数える:USBカメラとソフトの組み合わせで十数万円、設置込みの専用機で150〜170万円程度です。

※2026年10月時点で各社が公開している価格・価格帯をもとにした目安です(税込・税抜が混在)。機種や構成によって変わります。

方式ごとの詳しい違いは、「微小部品をバラで数える方法」で説明しています。

バラカウントAIの専用筐体と作業者の3Dイメージ。モニターに検査画面を表示
図2 バラカウントAIの装置(3Dイメージ)

当社のバラカウントAIは、広げて画像で数える方式の装置です。

  • 数えた実績のある部品:チップ抵抗・チップコンデンサ、コネクタ端子、ネジ・ワッシャ、Oリングです。
  • 黒いゴムの部品:数えられます。
  • 部品の大きさ:小さいものは0.2mm角級のチップ部品まで、デモで数えた実績があります。
  • 一度に数える数:数百個です。数える処理は、500個程度で1〜2秒です。部品を置く時間や確認の時間は含みません。
  • くっついた部品:接している部品、交差している部品は1個ずつ数えます。上下に完全に重なった箇所はNGと表示し、人が確認します。
  • 苦手な部品:透明な部品です。背景と見分けにくく、数え誤ることがあります。
  • 装置:PC1台で動き、数えた結果はCSVで出せます。

数が合うと、できるようになること

POINT

払い出した数が正確なら、「トレーが空になった=数の上では使い切った」と言えるようになります(図3)。部品を落とした場合や、違う場所に付けた場合は、数だけでは分かりません。

  • 付け忘れに、その場で気づける:1個でも残れば、その1台を確かめます。出来上がった製品をまとめて確かめ直す場面を減らせます。
  • 余りと不足の原因を追える:払い出した数と使った数を比べられるので、どこでずれたかを絞れます。
  • 納める側としても、数を示せる:指定の数ちょうどで入れてほしい、という納入先の要望に応えやすくなります。
必要な数ちょうどを払い出し、組み付けて、トレーが空になれば数の上では使い切ったと言える流れを示す図
図3 数を確かめて払い出す流れ(当社作成の模式図)

よくある質問

Q1. 多めに入っている分には、困らないのではありませんか?

足りなくなる心配は減ります。一方で、余りが出ても付け忘れと区別できなくなります。

付け忘れが流出すると困る部品だけでも、数を確かめてから払い出すと、余りの意味が決まります。

Q2. すべての部品を数えて払い出すのは、手間ではありませんか?

すべてを数える必要はありません。付け忘れが流出すると困る部品と、重さでは数が合いにくい軽い部品から始める方法があります。

Q3. 画像で数えれば、数え間違いは出ませんか?

画像で数える方式でも、ずれが出ることはあります。上下に完全に重なった部品は、下の部品がカメラから見えません。

当社の装置では、重なった箇所をNGと表示し、人が確認する設計にしています。

払い出しで数えたい部品が、画像で数えられるか確かめます

部品の写真、または現物をお預かりして、画像で数えられるかを確かめてお返事します。払い出しの前に数えたい部品があれば、製品ページのお問い合わせ欄からご相談ください。

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