部品を一発で数えたい|評価で見えた課題と、AIで改善したこと

バラカウントAIの専用筐体と作業者の3Dイメージ。モニターに検査画面を表示

当社は、トレーに広げた部品を画像で数える装置を作っています。以前、この装置をあるお客様の現場で試していただきました。

初回の評価では、課題が見つかりました。部品同士がくっついていると数えられず、置き直しや手直しが手間になる、というものです。

そこで当社は、AIを活用して、くっついた部品も1個ずつ数えられるように改善しました。

バラカウントAI。上のカメラでトレーの部品を撮影し、モニターに数えた結果を表示する
バラカウントAI。筐体は3Dイメージ、モニターの画面は実際の画面

この記事では、初回の評価で見えた課題と、AIを活用して改善したこと、まだ人の確認が残るところを順に書きます。

この記事の要約 – 初回の評価で見えた課題は、「くっつくと数えられない」「NGのたびに手で直すのが手間」の2つでした – お客様の目的は、数えることではなく、決まった数ちょうどを払い出すことでした – そこでAIを活用し、接している部品・交差している部品も1個ずつ見分けるように改善しました – いまの装置は、500個程度の部品を1〜2秒で数えます – 上下に完全に重なった部品と、透明な部品は苦手です。重なった箇所は人が確認します – お手元の部品が数えられるかは、現物をお預かりして当社で確かめます

初回の評価で見えた課題:くっつくと数えられない

POINT

初回の評価で見えた一番の課題は、部品同士がくっついていると数えられないことでした。

ネジ・ナット・ワッシャなどの小さな部品
ネジやワッシャのような小さな部品は、トレーに広げても互いに接しやすい(写真はイメージ)

試していただいたのは、電子機器の基板実装をされているお客様です。組立での部品の付け忘れを数の過不足で見つけるために、使う部品を決まった数だけ払い出す運用をされていました。その数を確かめる手間を減らしたい、というのがご相談でした。

ビス(小ネジ)のほか、大小のコネクタでも試していただきました。当時の装置は、部品が接していると1個ずつに分けられず、その箇所を赤枠(NG)で表示していました。NGが出ると、部品をばらして置き直すか、画面上で1か所ずつ手で直すことになります。

ビスは転がるので、動きが止まるまで待つ時間もかかりました。数える処理そのものは速くても、その前後の手間が大きかったのです。

お客様が求めていたのは、「置いたら一発で数えられ、並べ替えも手直しも要らないこと」でした。

もう1つの課題:「数える」と「数を合わせる」は違う

POINT

当社が見落としていたのは、払い出しでは「いくつあるか」ではなく「決まった数に合わせる」ことが目的だ、という点でした。

100個を払い出したいとき、88個なら12個足してもう一度数える
決まった数に合わせる作業では、足しては数え直すことを繰り返す

たとえば100個を払い出したいとき、数えた結果が88個なら、12個を足してもう一度数えます。足すたびに部品の並びは変わり、くっつく箇所も変わります。

そのたびにNGが出て、手で直す。これを繰り返すと、数える処理が速くても、作業全体は速くなりません。NGになる箇所そのものを減らすことが、払い出しの現場では欠かせない。これが評価で分かったことでした。

AIを活用して改善したこと:接した部品を1個ずつ見分ける

POINT

この2つの課題を受けて、納品実績のある画像解析にAIを加え、接している部品や交差している部品を1個ずつ見分けて数えるように改善しました。

評価でいただいた指摘と、そこから作り直したこと
初回の評価で見えた課題と、改善したこと

改善した装置が「バラカウントAI」です。変えたことは次のとおりです。

  • 接触・交差した部品を数える:トレーに広げた部品が接していても、交差していても、AIが1個ずつ見分けて数えます。NGになる箇所を減らすための改良です
  • 数える速さ:500個程度の部品を、1〜2秒で数えます
  • 結果を残す:数えた結果はCSVで出力できます
  • PC単体で動く:装置につないだPC1台で動きます

変えなかったこともあります。全自動で完結させず、最後の判断は人が行う設計は、そのままです。AIが怪しいと判断した箇所だけをNGとして表示し、人はそこだけを確認します。

対応する部品の大きさやトレーの寸法は、お客様の部品に合わせて変更できます。

まだ人の確認が残るところ

POINT

AIで改善したあとも、人の確認が要る場面は残っています。

接している部品と交差している部品はAIが数え、上下に完全に重なった箇所はNG表示で人が確認する
接触・交差は数える。上下に完全に重なった箇所は人が確認する
  • 上下に完全に重なった部品:重なった箇所はNGとして表示し、人が確認します。部品は重ならないよう、トレーに広げて置きます
  • 透明な部品:背景との見分けがつきにくく、苦手です
  • 転がる部品:ビスのように転がる部品は、止まってから撮影します

これまでに数えた実績がある部品は、チップ抵抗・チップコンデンサ(0.2mm角級はデモで数えた実績)、コネクタ端子、ネジ・ワッシャ、Oリングです。

なお、改善した装置は、課題を教えてくださったお客様にはまだ試していただいていません。「置いたら一発」にどこまで近づいたかは、部品と置き方によって変わります。そのため、導入の前に実際の部品で確かめることをおすすめしています。

数える作業は、どれだけ減るか

POINT

いまお伝えできる数字は、導入実績の確認時間と、いまの装置の数える速さの2つです。

  • 導入実績(電子部品メーカー様):部品の数量を確認する作業が、1製品あたり15分から5分以下になりました。確認工数は約1/3以下です。AIを加える前の、画像解析による実績です
  • いまの装置の速さ:500個程度を1〜2秒で数えます。これは数える処理の速さです

部品を置く時間やNGを確認する時間を含めた作業全体の時間は、部品と置き方で変わります。お手元の部品で確かめたうえでお伝えします。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. くっついた部品は、ばらしてから置く必要がありますか

トレーに広げて置けば、接している部品や交差している部品も、並べ直さずに数えます。

上下に完全に重なった箇所だけはNGとして表示されるので、その箇所を人が確認します。

Q2. 決まった数に合わせて払い出す作業にも使えますか

数えた結果を見て部品を足し、もう一度数える使い方になります。

接した部品を見分けるようにしたので、数え直しのたびに手で直す箇所は減る見込みです。どこまで減るかは部品によるため、実際の部品で確かめます。

Q3. 自社の部品が数えられるかは、どう確かめられますか

部品の写真か現物をお送りください。数えられるかを当社で確かめてお答えします。

お手元の部品が数えられるか、当社で確かめます

部品の写真か現物をお送りいただければ、数えられるかを当社で確かめてお答えします。現物はお預かりして、実際の装置で試します。部品の大きさやトレーの寸法のご希望も、あわせてお聞かせください。詳しくはバラカウントAIの製品ページをご覧ください。

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