チップ抵抗やチップコンデンサのような小さな部品は、1個ずつ目で数えると時間がかかり、人によって数がぶれます。目安として、100個を目で数えるのに1分前後かかります。
数える装置を調べると、リールのまま数える装置、はかり、落として数える装置、カメラで数える装置が出てきます。どれも「部品を数える」装置ですが、得意な場面が違います。
この記事では、各メーカーの公開情報をもとに方式ごとの得意なことを並べ、最後にチェックリストで自社の部品に合う方式を判定します。
結論:数え方は「部品がどんな状態か」で決まる
最初に見るべきなのは装置の性能ではなく、数えたい部品が今どんな状態にあるかです。
- リールやテープに入ったまま数えたい → リールカウンター、X線チップカウンター
- 袋などにバラで入って納品された部品を数えたい → 個数はかり、落下式のパーツカウンター、画像で数える方式
リール向けの装置は、リールに収まった部品を数えるための装置です。この記事でいう「バラ」は、1袋にまとめて入った状態で納品される部品のことです。バラで届く部品は、残りの3つの方式から選びます。
リールのまま数える:リールカウンターとX線チップカウンター
リールに入った部品は、テープを送って数えるか、X線でリールごと撮影して数えます。
リールカウンター(テープを送って数える)

リールカウンターは、テープを別のリールへ巻き取りながら、送った分の部品を数える装置です。あるメーカーの説明では、テープの送り穴(スプロケット穴)の間隔をもとに部品の間隔(ピッチ)を設定し、モーターでテープを送ります。数え終わったテープは元のリールへ巻き戻します。
空いているポケット(部品が入っていない区画)を見つけると止まって知らせる機能を持つ機種もあります。決めた数で止める機能もあり、指定数を切り出す作業に向いています。
X線チップカウンター(リールごと撮影する)

X線チップカウンターは、リールにX線を当てて画像を撮り、画像処理で部品の数を数える装置です。X線が金属を通りにくい性質を使い、リールの中の部品を写します。
メーカーの説明では、トレイにリールを入れてボタンを押すだけで、複数枚のリールを同時に数えられる機種があります。リールをトレイに入れたまま数えられる機種がある点が、テープを送って数えるリールカウンターとの違いです。
バラの部品を数える①②:重さで数える方式、落として数える方式
バラの部品を数える方式のうち、重さと落下の2つは、部品をトレーに広げずに数えられます。
重さで数える:カウンティングスケール(個数はかり)

カウンティングスケールは、先に1個あたりの重さを登録し、全体の重さから個数を割り出すはかりです。ひとまとめにのせるだけで数えられるので、同じ部品を多く数える場面に向いています。
はかりのメーカーは、注意点を2つ挙げています。
- ひょう量(はかれる最大の重さ)が大きいほど、数えられる1個あたりの最小の重さも大きくなる
- サイズや重さがそろっていない物には向かない
1個あたり数mgの部品では、わずかな重量の誤差が数のずれになることがあります。軽い部品を重さで数えるときは、はかりの仕様で、数えられる最小の1個の重さを確かめてください。
落として数える:落下式のパーツカウンター

落下式のパーツカウンターは、シュート(すべり台状の通り道)を落ちていく部品を、センサーやカメラで1個ずつ数える装置です。
メーカーの説明では、重さにばらつきのある部品も数えられ、決めた数ごとに袋詰めできる機種があります。部品を流しながら数えるので、同じ数ずつ小分けする作業に向いています。
一方で、方式ごとに「1個あたりのサイズが大きな物には使えない」などの条件を示す解説もあります。微小部品に使えるかは、機種ごとにメーカーへ確認してください。
バラの部品を数える③:広げて画像で数える方式
画像で数える方式は、トレーに広げた部品を上からカメラで撮り、画像から1個ずつ数える方式です。重さを使わないので、1個が軽い部品でも重量の誤差に左右されません。
得意なこと
- 一度の撮影で、トレー上の部品をまとめて数えられる
- どの部品を数えたかを、画面の上で目で確かめられる製品がある
- 部品同士が接していても数えられる、と説明するメーカーがある
苦手なこと
- 透明な部品:背景との見分けがつきにくく、数え誤ることがあります
- 上下に完全に重なった箇所:下の部品がカメラから見えません
- 形のばらつきが大きい部品:画像で数える方式には向かない、とする解説があります
- 撮影時の光:窓からの光や照明の変化が、数え誤りの原因になることがあります
部品の向きや接触、重なりなどの条件によって、結果は機種ごとに変わります。実際の部品で確かめることが前提です。
また、部品をトレーに広げるひと手間が要ります。当社の装置では、数秒ほどの作業です。部品の量とトレーの広さが合っているかも、事前の確認点です。
当社のバラカウントAIの場合

当社のバラカウントAIは、トレーに広げた部品を上から1回撮影し、一度に数百個を数えます。接している部品や交差している部品は、AIが1個ずつ見分けて数えます。上下に完全に重なった箇所はNGとして表示し、人が確認します。
全自動で終わらせず、最後の判断は人が行う設計です。AIが怪しいと判断した箇所だけを赤枠(NG)で示すので、人はそこだけを確認します。右クリックでNGをOKに、OKをOTHER(除外)に切り替えられます。

数えた実績があるのは、チップ抵抗・チップコンデンサ(0.2mm角級はデモで数えた実績)、コネクタ端子、ネジ・ワッシャ、Oリングです。
上に挙げた苦手のうち、形のばらつきと光には、次のように対応しています。
- 形のばらつき:AIが部品を1個ずつ見分けるので、形にばらつきのある部品も数えられます
- 光:筐体とソフトの両方で外部の光の影響を抑え、光の変化に強い設計にしています
電子部品メーカー様では、1製品あたりの確認時間が15分から5分以下になりました。これは、AIを加える前の画像解析での導入実績です。現在はAIモデルを加え、500個程度を1〜2秒で数えます。主な用途は、組立・実装での組み忘れなどのポカミス防止と員数チェックです。詳しくはバラカウントAIの製品ページをご覧ください。
なお、組み付けた後の基板や製品に部品が付いているかを確かめたい場合は、ミヌキ外観検査AIが対象です。
自己診断チェックリスト:自社の部品に合う方式は
当てはまる項目にチェックを付けてください。✓が多いグループが、最初に検討する方式の目安です。
判定の目安
- Aに2個以上 → リールカウンターかX線チップカウンター
- Bに2個以上 → 個数はかり
- Cに2個以上 → 落下式のパーツカウンター
- Dに2個以上 → 画像で数える方式
- 2つ以上のグループに当てはまる → 工程ごとに方式を分けて検討します(例:リールで届く部品はリール向けの方式、袋入りのバラで届く部品はバラ向けの方式。数えるのは個数はかり、小分けは落下式で)
部品が透明な場合は、画像で数える方式の苦手な条件に当たります。実物での確認が先です。
よくあるご質問
当社のバラカウントAIでは、0.2mm角級のチップ部品をデモで数えた実績があります。部品の形や色、置き方で結果が変わるため、実際の部品で確かめてから導入を検討します。
接している部品、交差している部品は、AIが1個ずつ見分けて数えます。上下に完全に重なった箇所は下の部品が見えないため、NGとして表示し、人が確認します。
部品の重さがそろっていて、はかりで数えられる重さなら、個数はかりが手早い方式です。1個が数mgと軽く、わずかな重量の誤差が数のずれになる部品では、画像で1個ずつ数える方式が候補になります。
ここに無い部品が数えられるかは、ご相談ください
ここに無い部品が数えられるかは、ご相談ください。部品の種類と置き方を伺い、画像で数えられそうかを一緒に確認します。バラカウントAIの製品ページからお問い合わせいただけます。

