DX挑戦ブログ_第1回

【DX挑戦ブログ 第1回】従業員10人未満・平均年齢55歳の機械工具卸が、AIを入れてみた。不安しかない。

— 有限会社アルプス × MonoStruct合同会社 DX挑戦記 —


はじめに ― 正直に書きます

最初に断っておきます。この記事は、AIを導入して「すごく便利になりました!」という成功事例ではありません。

これは、従業員10人未満・平均年齢55.3歳の有限会社アルプス(https://alps-inc.com)が、AI活用に踏み出したばかりの、まさに今進行中の記録です。うまくいくかどうかも、正直わかりません。

サポートに入っているのは、私たちMonoStruct合同会社。「何がわからなかったか」「どこで止まったか」「何に戸惑ったか」も含めて、きれいごと抜きで発信していきます。

同じような規模の会社で「AIって気になるけど、うちには関係ないかな」と思っている方に、この連載が何かの参考になればと思っています。


アルプスってどんな会社?

有限会社アルプスは、平成5年(1993年)7月31日設立。車業界で30年以上の歴史を持つ会社です。人と人、物と物を繋いできた企業です。

従業員数は10人未満、平均年齢は55.3歳。
現在は、車両工具や内装事業、設計開発などの事業を手がけています。
いわゆる「ITの会社」ではありません。社内にプログラミングができる人はいません
AIの経験といえば、ChatGPTを少し触ったことがある程度です。

ここが大事なポイントなのですが、これは決して「遅れている」わけではなくて、
日本の小規模事業者のほとんどが同じ状況です。AI導入なんて、どこから手をつけていいかわからない。興味はあっても、日々の業務に追われて後回しにしてしまう。

「来月から考えよう」が半年、1年と続いていく。。。

そんな中で「じゃあ、うちがやってみるか」と手を挙げたのがアルプスでした。


幡谷社長の本音 ― 「人が足りない。でも雇えない」

「小規模事業者は、人を雇いたくても雇いづらい。だからこそ、DXやAIを活用して効率化を進めたいんだ」

とアルプスの幡谷社長

採用を出しても応募が来ない。教育するにも余裕がない。
少ない人数で回しているからこそ、一人ひとりの負担が大きい。これは多くの小規模事業者が直面している、切実な現実です。

そして、もうひとつ。幡谷社長にはこんな想いもありました。

「アルプスがまず先にやってみて、それを見て他の会社が”うちもやってみようか”と思ってくれたらいい」


Claude Codeを入れてみた ― そもそも「ダウンロードの仕方がわからない」

今回導入したのは、Anthropic社が提供するClaude(クロード)。

ただ、ここで正直に書いておきたいことがあります。

幡谷社長いわく、「そもそもClaudeって何なのかがわからない。ダウンロードの仕方もわからない。中小企業や小規模事業者にとっては、そこがもう壁」

これ、すごく大事な話だと思います。AIに詳しい人からすれば「ダウンロードして使うだけでしょ」と思うかもしれません。でも、普段の業務でExcelとメールくらいしか使わない環境では、「新しいAIツールをPCに入れる」というだけで相当なハードルです。

Claudeは、名前も聞いたことがない、どこからダウンロードするのかもわからない、インストールしたとして何が起きるのかもわからない。

「難しそう」ではなく、「そもそもスタートラインに立てない」という感覚。これが、多くの小規模事業者のリアルだと思います。

MonoStruct合同会社がサポートに入り、Pro版の契約手続きとPCへのセットアップは完了。
ここまでは一緒に進めたので問題なく終わりました。※導入方法に関しては次回以降説明します。
大事なのはこの先です。

よくある話ですが、ツールを導入しただけで満足して、結局使わなくなるケースは山ほどあります。高いソフトを買ったけどExcelで済ませている、みたいな話です。アルプスがその罠にハマらないようにするために、「導入して終わり」ではなく「導入してからが本番」という意識で進めていきます。


目指しているのは「何でも屋AI」― でも、理想と現実は違う

アルプスが最終的にやりたいことは、かなり幅広いです。

秘書的な業務、税理士的な財務サポート、社労士的な人事総務、中小企業診断士的な経営戦略の壁打ち、弁護士的な法務チェック、さらにはM&A、工具事業、内装事業、新規顧客獲得、設計開発まで。要するに、人を雇えない分をAIで補いたいという発想です。

正直に言えば、今すぐ全部は無理です。
理想を語るのは簡単ですが、いきなり全部やろうとすると確実に挫折します。

だからこそ、小さく始めます。


まず最初にやること ― 「ファイルの自動振り分け」から

幡谷社長と話し合った結果、最初の一歩は注文書などの自動振り分けに決めました。

なぜここからはじめるのか? 理由は単純です。毎日やっている業務で、時間がかかっていて、失敗しても大きな損害がない。つまり、練習台としてちょうどいい。

ここから始めて、うまくいけば見積書や請求書の作成支援へ。さらにその先に、社長の考えをベースにした経営戦略の整理といった、もう少し高度な使い方へと進んでいきたいと考えています。

ただ、計画通りにいくかはわかりません。やってみたら「これは思ったより難しい」となるかもしれないし、「意外とこっちの方が使えるじゃん」という発見があるかもしれない。そのリアルな過程を、この連載で全部見せていきます。


次回予告 ― そもそも、どうやって導入したの?

次回は、Claudeを実際にPCへ導入するまでの流れをお届けします。

「Gitって何?」「PCが対応してなかった」など、やってみて初めてわかったトラブルも包み隠さずレポートします。AI活用の第一歩は、実は「インストール」からもう始まっているんです。

この連載が、同じように悩んでいるどこかの会社の「最初の一歩」につながることを願っています。


執筆:有限会社アルプス(https://alps-inc.com) × MonoStruct合同会社
DX支援に関するお問い合わせ:MonoStruct合同会社(support@mono-struct.com